前作の「AU-607G改造OTL(6080×4)アンプ」について簡単に纏めますと
①プリメインアンプ(以下、「改造用アンプ」とする)のプリアンプ機能を残しつつ躯体並びに電源トランスを流用してパワー段をOTL化するという極めてユニークなアンプを専用シャーシ並びにFUN冷却により実用レベルのアンプに仕上げることができた。
②「改造用アンプ」の電源トランスのパワー段巻線数が4回路有ったのでフィリップス方式のOTLアンプとした。この方式については、武末一馬著「OTLアンプの設計と製作」において電源巻線については厳重なシールドが必要である旨の記述があるが今回試作したアンプでは電源巻線について特別の配慮をしなかったにも拘らず特段の不具合は無かった。
③電源電圧が113~114Vに対して出力は4W(8Ω、2%歪み)で周波数特性は10HZ~80KHZ(8Ω、1W)でほぼフラット。音質はOTL独特の押し出すような低域に加えクリアな中域・高域が特徴で非常に高品質のアンプに仕上がった。
等の評価が出来ます。
そこで次作のアンプは、以下のコンセプトで製作します。
①前作の回路方式を基本として、出力アップを図るべく出力管は手持ちの30KD6としSGには高効率3結動作をさせる為、プレート電圧+約30Vを印加する。(プレートとSGは交流的には同電位とする)
②シャーシ・トランスカバー・基板等は全て自作とする。
つづく