自作の友

主に正12面体SP・BOXの製作関連とそれ以外のオーディオ製作が主です。時には季節の移ろいなどもアップする予定です。

カテゴリ: 手作・シャーシのアンプ(寄稿)

 先日アップしましたHさんの半導体バッテリードライブ・パワーアンプの続編としてプリアンプの製作記事を送って頂きましたので紹介したいと思います。


今回のプリアンプは先日のパワーアンプと同様,無線と実験誌
2010年10月号掲載された金田明彦氏設計バッテリードライブの
DCプリアンプ(No.210)です。
ニッケル水素電池+7.2Vと-4.8Vとで動作します。
MCカートリッジ用のEQアンプとヘッドホンアンプ共用の
ラインアンプとで構成されています。
前回のパワーアンプと同様,ニッケル水素電池はケース上部の
電池ホルダーに収容しました。

EQアンプ出力には出力オフセット電圧を自動的にOVに
コントロールする回路(AOC)があるため,EQアンプと
フラットアンプ間にカップリングコンデンサがありません。
この効果は絶大で,低域の再生音が今までのアンプとは全く
異なり,常用のスピーカから再生される低域音の迫力に
びっくりさせられました。
もちろん中高域音も非常にクリアで,今まで聞いていた
レコード,CD,テープの音が全く別のものに感じられました。

現在では入手しにくいトランジスタやコンデンサなどのパーツ
もありますが,回路がシンプルなせいもあり,製作は割と簡単に
できますので,真空管ファンの方も製作にトライしてみる
ことをお勧めします。

プリパワーアンプ
内部写真など

[私のコメント]
  素晴らしい仕上がりです。特にフロント・パネルの仕上がりはメーカー製を凌ぐ出来栄えです。機会がありましたらパネルの加工方法についてもお聞きしたいと思います。

 フレーム(300*200*78)及び板(298*198,2枚)を購入頂いたHさんから完成したアンプの写真及び製作記事を頂きましたので掲載させて頂きます。

  製作していただいたケースにパワーアンプを組み込みました。
多くの皆さんとは異なり,半導体バッテリードライブのパワーアンプです。
金田明彦氏が回路設計された,いわゆるDCアンプです。
金田氏は今でも無線と実験誌に精力的にDCアンプなどの製作記事を
出されていますが,今回製作したアンプは2010年に発表された
バッテリードライブ方式(No.209タイプ)のものです。
単3型のニッケル水素充電池(2,400mAH)をケース内に
組み込みました。製作記事ではリチウムイオン電池を使用していますが
高価なため,当方はニッケル水素電池を使用しました。
全体写真
内部配置状況

 出力は4Ω負荷で24W/chです。
家の中で週3日,3時間/日位で使用する位だと,大音量にしないことも
あり,電池は1ヶ月以上はもちます。
信号経路にコンデンサやトランスなどを使用していないこともあり
再生音は非常にクリアで,低域も豊かな鳴りっぷりで大満足しています。
なお増幅素子はドライブ段に2SA606や2SD297,出力段には
には2N3055(東芝製)のメタルキャン型トランジスタを使用して
います。


  下記の内容は、Hさんに確認したものです。
①フロントパネルは3mm厚のアルミ板を,東京の(株)奥澤で
希望のサイズにカットしてもらいました。1カット100円なので
通販でも安く購入できました。
表面は自分でヘアライン加工(240番の耐水ペーパーで水とぎ)
を施し,クリア塗料で仕上げました。
②通気口は格子状に細いマジックでマーキングし,1.5mm,
2.4mm,3.5mm,4.5mm,5.2mm,6mmと
ハンドドリルで根気強く穴を広げていきました。
③電池は単3型8本用の急速充電器が市販されているので,それで
充電します。3~4時間程度で満充電になります。

[私のコメント]
 フレームサイズはさほど大きくないのに係わらず、非常にコンパクトで且素晴らしい出来上がりです。気付いた点は下記の通りです。
①アルミアングルを巧みに使用されいます。→補強材のみならず、放熱板と遮熱板の固定中継板としても使われています。
②特に放熱板は、一般のヒートシンクを使わずアルミ折り曲げ品を使いスペースが有効利用されています。
③アルミパネルの仕上がりが素晴らしい。
④通気口の仕上がりは特筆ものです。
 


 昨年10月にKMさん依頼のシャーシ(業務連絡(KMさん))で作られたアンプの写真を本日、送って頂きました。845PP、813PP、814PP及び805S等の作品です。
 レイアウトがしっかり決まっていて壮観です。

  左上;845PP、右上;814PP  左中;813PP、右中;810S
  左下;805S 、右下;572S

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 今回お作りしたシャーシ(業務連絡(KMさん) )は、現在810シングル及び572Bシングルの試作が出来ているので、これを当面仕上げられるとこ事です。
 今後は、803、845、GM70及び35TGのシングルを製作したいと仰っています。

 これとは別にKさんなどがアップされた正12面体BOXの再生音源についての印象を伺いました。
[KMからのメール]
 正12面体BOXについて試聴してみました。
 容積があまり無いのにダンピングの効いた低域が十分に出ており、全体的に明るい音の様に感じました。
 面白いスピーカーだと思いました。
 ただし、製作は立方体でないため、加工が難しいのではないかと思いました。

[関連ブログ]
業務連絡(KMさん)

 25E5パラシングルは友人の依頼で作りました。その方には、他にE2D(PP)、AL4(PP)、VT25(PP)、5A6(PP&S),EL32(ParaS)を製作しております。
 出力は、4.4W位です。残留ノイズは0.2mV以下ですが、我が測定システムの測定限界かも?です。
 シャーシ図面や部品配置などはJW CADを使い、回路図はBSCHを使用。
双方とも無償で使えますから、製作者様には感謝ですね。

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 定年退職を機会に製作記事などを探して「ぺるけさん」のHPを見つけて勉強
を続けました。以来、差動PPアンプに嵌って設計、製作を楽しんでいます。
 最近製作アンプの傾向は真空管は終段のみです。
全段真空管構成も造りましたが、前段の動作点のふらつきが気になります。
そこで、真空管の穴あけ箇所削減と、前段の不安定性を嫌って終段のみ
真空管構成のアンプを造っています。
 回路にはコンデンサの介在は少ない方が良いとの判断で直結にしています。
前段と終段を直結した回路はロフチンホワイトと言うんですね。
 今まで色々な球で造りましたが、71Aと6AH4と6N6Pは聴き易く疲れない音ですね。
みな、ぺるけさんの推奨球です。
私は音の良し悪しを聴き取る能力がありませんので音の特徴をお届けすることは
難しいです。
 出力は、0.7W位です。残留ノイズは0.2mV以下ですが、我が測定システムの測定限界かも?です。

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[コメント]
 HMさんには、何度かシャーシを購入して頂きました。現代版のロフチンホワイトです。非常に合理的に設計されており比較的小さなシャーシにも拘わらず余裕を持った配置・配線になっています。


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