ロシア管6C33C OTL PTL パワーアンプ(長野県 S.W氏製作)

1.はじめに
 SiC・SBD(シリコンカーバイドSBダイオード)というものが世に出て、電源の整流に使うと良いらしいと聞いて、さっそく手元にあった6C19P・OTLアンプのシリコンブリッジをSiC・SBDに替えました。音の変わり様は素晴らしく、メリハリの効いた、とりわけ高音域は澄みきった音楽を聴かせてくれました。
 ならば6C33Cはどんな音になるのかな、ということでSiC・BSDと6C33Cの組み合わせで何台か作った内の1台なのです。(6C33Cは何本か持っていたのですが、選別でペアの精度を上げるため箱買し、さらにネットでまとめて格安とあったものを買い込んで、ペアが幾つも出来てしまい、何とか消費しなければという事情も)回路は初段がシーメンスの5極管C3gによる金田式です。電源部とアンプ部を別シャーシに組み2段重ねとしています。タカチのケースなら2個で25k~30kは覚悟ですから、こちらのブログ主さまには安く供給して頂いて感謝です。 

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2.製作
 ①下段の電源部、スイッチは突入電流での接点溶着防止の為2つあり、1~2秒の時間差をおいてONします。まず保護抵抗を通して通電です。金田式オリジナルでは18Ω/6W指定ですが、これだと別のアンプで何度か断線しました。本機は当初18Ω/10W(金皮5W36Ωパラ、22000μのコンデンサーで受けるので大きめにしました)でしたが、ONの突入時わずかですが煙が出て、臭いました。ホーロー10Wに替えてあります。大きなコンデンサーが2つ見えますが、これは容量にこだわったわけではなく、松下製にこだわりました。「松下の電解コンデンサーは高音がきれい。」と私はどっかで刷り込まれているんです。容量はこの半分で充分なのですが、入手の都合です。白い大型のフィルムコンデンサーは100μ、6C33Cのヒーター50.4V・3.3Aを、黒い小型のフィルムコンデンサー10μはC3gの25.2V・0.37Aを直列回路で供給しています。(60Hz仕様)電源部に組み込んだ基板は、6C33Cにヒーターの予熱
時間を与えるタイマー基板と、異常時B電源±133Vを遮断する保護回路基板の2枚です。

 ②上段アンプ部は、ヒーターだけでも6C33Cが166W、C3gが9.3W。熱くなります。触れないほど熱くなる天板に半導体基板を取り付けるのは心的抵抗があり、天板から30mm下げてサブシャーシ(遮熱板)を吊って基板を取付ました。全体の放熱構造は、天板60mm径の穴に8mm沈めてソケットを付け、天板から30mmでサブシャーシ、その天板全体をフレームから10mm浮かして、ケースの左右に通気口確保です。(写真07)真空管C3gはソケットなしの基板直付です。(写真08)基板に取り付けた温度センサーに連動して出力管のアイドリング電流が制御されます。
  
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3.まとめ
 ①2分割構造のため、スペース的に余裕があり、工作も容易でした。
 ②残留ノイズは0,7/0,8mmV。2~3年前から金田式アンプでは電流伝送方式を取っており、本機もそれですが、信号の入力部分が見慣れた回路と異なります。発振器がそのままでは接続できないので以下計測は行っていませんが、金田式特有の高分解能と、ワイドなf特性は聞き取れます。6C33Cの音は決して低い方に偏った音なのではなく、スケールの大きな音なのだと感じます。ただこの球の足ピンとソケットには不満ありです。購入した球のほとんどは、足にサビがわいており、ソケットも抜き差しのうちに締めが緩くなってきそうです。
 ③PTLの安全性・・・本ブログでも検討されておりますが、私はここ1年間PTLパワーアンプを常用としてきました。私自身のちょんぼとかパーツの不良とかで、何度かトラブルを経験しました。 
   ・パワーアンプON状態でプリ側でのON/OFF。一度は保護回路(出力端子に±0,5V以上のDC電圧を検出で   動作、リレーではありません)で助かり、一度は一部のSiC・BSDが飛び電源フューズで助かりました。
   ・調整試運転時、リード線の取り出しミスで保護回路動作。

   ・6C33Cではない別の中古出力管でしたが、動作中弛んだグリッドどうしが接触したのか、カソードにでも触れ   たのか、大爆音。寿命を縮めました。幸い保護回路でネットワーク接続のスピーカーは守られましたが、マルチだった
   ら危なかったかも、です。でもこのような経験から、現状の接続なら、保護回路とACフューズで守れるので   はないかとこの頃は思っています。  

4.製作者コメント
  ・金田さんは、PTLで6C33Cアンプは発表されておりません。記事の回路で出力回路のみ6C33Cとしました。
  ・最初に作ったアンプで、最大出力20W、歪率1kHz0.1%以下を計測、
  ・位相補正もそのままで安定、
  ・OTLとは言え私の持っている発振器の限界1MHzまで(DCから)f特はフラット、これらから、記事回路が6C3   3Cを充分にドライブできることは確かです。

  ・パーツ代 5万位です。

5.おわりに
 皆様の力作の、デザイン、工作、塗装等を参考にさせて頂いてこれからも励みます。

6.使用シャーシ
  ①370_270_120 底板付
  ②340_230_100   底板付(URL: http://blogs.yahoo.co.jp/query1576/12635658.html 参照)
 
[参考文献]
・「無線と実験」2010年12月 金田明彦 DCアンプシリーズNO211「40KG6Aパワーアンプ」
・「無線と実験」2011年1月    金田明彦 DCアンプシリーズNO211「40KG6Aパワーアンプ」