いよいよ製作開始! ヤフオクにて落札してからしばらく間が空きましたが,ようやく着手が可能に,とはいっても集中して作業できるまとまった時間がなかなか取れないため,どうしても細切れの作業となってしまいます.作業に要した時間などはご参考までとしていただければ幸いです.

イメージ 2



本キットには,作業工程ごとの動画も添付されておりますので,製作の流れを把握できることをはじめ,何より,実際の作業をイメージすることができます.百聞は一見に如かず,ですね.スピーカーを初めて製作するという方も安心して取り組むことが出来ます.大変細やかな対応だと思います.(写真上 左上)

1 フェルトの裁断
裁断寸法図が添付されていますので,先ずはその通りに切り取り線をフェルトに描きます.特筆すべきは,寸法取り用の冶具が付属されていること.これを使うことで非常に簡単で効率よく作業ができました.このようなところにも購入者に対する心遣いが感じられます.何回かに分けた作業でしたが,寸法取りから裁断完了までトータルでおよそ1時間半といったところでしょうか.

2 ガスケットの製作
サブバッフル用,ポート用,ユニット用の3種類.これは型紙が付属(ユニット用は現物採寸)しているので非常に簡単です.手持ちにあった1.5mm厚のクロロプレーン素材のシートに型紙を貼り付け,デザイン用ナイフで丁寧に切り抜きました.次に型紙のネジ穴位置に5mmのポンチをあわせてくり抜き,型紙を剥がして完成.円の切り抜きに時間を要したので作業時間は計6枚分でおよそ1時間とちょっと.(写真上 右上)

3 フェルトの張り付けと遮音板の取り付け
 フェルト張りはタッカーによる固定ですので短時間でスムーズに完了.フェルトは二等辺三角形の裁断ではなく五角形ならもっと簡単だったかも.
続いて遮音板.ポートに不要な中音域が出ないようにするための仕掛けとのこと.この辺り,専門的な知識もなく,カット&トライも出来ませんので指示通りに製作.これも型紙が付属しておりますので段ボールに貼り付けて切り抜き,ユニット側にフェルトを貼り付けた後,3ヶ所に取り付け用の穴を開けて完成.今回,取り付けに関しては紐で縛るのではなく輪ゴムに変更(後から付け外しが楽になるかな?と思って).
先ずは紐を縛るためにシェル側に既に取り付けられている3ヶ所の木ネジを外し,その穴に割り箸を削って差し込んで穴埋め.ボンドが乾いたところで小さめのフックをねじ込むことで,ゴムを引っかけるようにしてみました.(写真上 左下)

 あとは前後のシェルを接着すればエンクロージャーの完成です.シェルの接着については添付動画の中にも注意事項として挙げられていますが,ボンドがはみ出すので前後のシェルの縁に養生用のセロテープを貼ります.このセロテープを取り除く時にMDFが一緒に剥がれないようにドライヤーで温めながらゆっくりと剥がす,ということです.私も以前に失敗した経験がありました.今回はマスキングテープを使ったのですが,これは比較的粘着力が弱いためドライヤーを使わなくても大丈夫ですが,念のため付属の端材で試してみました(塗装の色決め用としてキットに数個付属).ドライヤーを使わなくともほぼ大丈夫でしたが,やはりMDFの切断面の縁に貼りますので,ほんの僅かですが剥がれる箇所も認められました.ここはドライヤーで温めてゆっくりと剥がすのが無難だと思います.
ところが後の塗装で思わぬ事態が… 塗装の記事を参照ください.

4 サブバッフルの加工(ユニット取り付け用)
 ユニットをサブバッフルに仮付して固定用の穴の位置を決めます.ボール盤を用いて垂直に穴を開け,鬼目ナットをねじ込みます.鬼目ナットは,出品者様からご紹介いただいたE形というものを使用しました.これは縁が無いタイプなので,サブバッフルの面と段差がつきません.使い易いです.(写真上 右下)(写真は塗装途中のものです)

5 塗装
 どうしようかと最も悩んだ部分です.正12面体という斬新なスタイルを生かすことができれば,と考えておりますが...
エンクロージャーの表面はMDFです.MDFの質感はどうも好みではなく,かといって素材が何なのか判らなくなるようなベタ塗りだけはしたくなかった.木目があればそれを生かした仕上げも出来ますが.要するに,光の当たる角度によっては下地色とは異なる色艶も見え隠れする.そんなイメージです.(ちなみに,本キットのスタンドには接続位置などが細かに指定されています(左右前後上下番号付など).接続位
置が記載されたテープが貼り付けされていますが,塗装の邪魔になります.妨げにならない別の場所に書き写す必要がありました.)
で,これを実現する(かどうかは判りませんが)ための方法として先ず合板は300番くらいでサンディングし,砥の粉で目止めをします.丁寧に砥の粉を拭き取った後にグレーのウッドダイで着色.(写真下 左上)これは1回塗りの写真です.適当な濃さになるように塗り重ねます.あまり薄すぎるとダークな艶は期待できないし,MDFの傷や合板の切断面もぼかしきれないため濃い目に塗り重ねました.
 グレーというより少し青みがかかり紺色とも言えなくはないですね.光の加減もありますので写真では判り難いかもしれません.次に濃色の2カットのシェラック(フレークをEtOHで溶解,自家調製)を塗ってはサンディングを3回重ねます.以降は1カットのシェラックを塗っては研ぎ,塗っては研ぎを繰り返します(800→1000番).何回繰り返したかは途中で面倒になり数えるのを止めました.おおよそ10回くらいかな? まだ途中なので最終的にはトータル15回くらいになるかと思います.ちなみにスタンドは5回ほどで良しとしました.
 シェラックを重ねて塗ることで,光の屈折などにより絶妙な輝きが出てきます.もちろん傷隠しも兼ねてですが.見た目の納得(妥協?)と根気と気力と体力の続く限り,でしょうか.ギターなど楽器に用いるフレンチポリッシュなどは200~300回ですからね.それに比べたらかなり適当です.
そして最後の仕上げにBRIWAX(クリア)で磨く予定です.雰囲気が伝われば良いのですが... 写真です.(写真下 右上)
 なぜここまで面倒な塗装をするのか? 簡便にスプレーニスやワックスだけでも光沢は出せますからね.単なるこだわりと自己満足です.そして何よりこのRD-17に期待を込めているから力が入ったのかもしれません.
 
 さて,Boxの塗装に関し,途中で変更がありました.やはり,グレーのウッドダイでは傷を隠しきれなかったこと,さらに思わぬ事態が発生.シェルの接着の際に使ったマスキングテープの痕ですが,見た目も触った感じも全く問題無かったのですが,ほんのわずかに毛羽立ちがあった模様.塗装によりそれがさらに浮き彫りになってしまいました.
 ペーパー掛けで表面を均しましたが普通の木材と異なり,要は細かな紙を圧縮しているだけの物なので元々のツルッとした表面(テープを貼ったところ以外と同じように)に戻すことは出来ませんでした.はじめから接着済みであったフロントバッフル面も同じ状態でした.これにはかなりのショックを受けましたが,仕方がありません,塗装でごまかすしかなく,結局さらに濃い色で塗ることに.最終的に下地色はブラックにしました.この時既にスタンド部分はシェラックの上塗りがほぼ完了していたのでスタンドとの雰囲気は異なることになりますが(そもそも材質が異なりますが),単なる艶ありブラックというのではなく,前述の通りシェラックによる艶出しで,琥珀のような艶が上手くミックスされることを願うばかりです.

 念のための注意点として一つ,サブバッフルとポート用の部材ですが,非常に高精度に加工されています.従って,表面のみの塗装であれば何ら問題ありませんが,側面(切削部位)まで塗装する場合,その塗装の厚みには十分
ご注意ください.私の場合,2カットのシェラックを3回塗りしただけでバッフル面,ポート面に入らなくなりました.もちろん周囲をサンディングして無事に収まりましたが,ご存じの通り,シェラックは乾燥すると高硬度な被膜が作られます.木材の節などもガッチリ固めてしまうくらいですからね.あて木をしてしっかりとサンディングする必要があり,少々疲れました.

6 スタンドの組み立て
 先ず見える場所のネジについては,スタンドの塗装色が濃色なので付属のユニクロームの物からブロンズの物に変更しました.さて,組み立ては至って簡単です.一旦組み立てたものを梱包のためバラしているので当然元通りに組み立てられるはずです.が,三角錐様の形状をしているので,丸棒などは微妙な角度をつけてカットされていることもあり,また精度の問題もありますので,ネジは一気にねじ込まずに上下のそれぞれ3点を少しずつ,全体の形を確認しながら微調整を繰り返して締め付けて行った方がよろしいかと思います.また,3本の丸棒を束ねる中間のパーツですが,組み立ての際に上下に動かしますので,もし柔らかめの塗装の場合には丸棒に若干擦り傷が付く可能性があります.どちらかに養生した方がよろしいかと思います.
今回のようなシェラックを用いた塗装の場合は,表面硬度が高いのでほとんど気になることはありませんでした.
 組み立て後,スタンドの高さにもよるところですが,重心の関係で若干不安定さがありましたので,使用時には底板にウエイトを載せようと思っています.(写真下 左下)
ただ,エンクロージャーの重量からみても,スタンドとのバランスは取れていません.スタンドについては今後の要検討課題です.

イメージ 1